渡辺竜王もついていけない!?現代将棋の激流!

出典:竜王戦中継plus

今回はこの1年間でプロ将棋の流行が激変していることを解説します。

将棋はかせ
渡辺竜王がニコニコの取材で

最近将棋がすごい変わってきて、自分は付いていけてない」という発言があって、わしは気になってたんじゃ。

※渡辺竜王の発言はこの動画の冒頭に


ワン太くん
それで今回は最近の流行について解説することにしたんだね。

その通り。実は今年渡辺竜王が不調なのも、将棋の激変が関係しとると思うんじゃ。

※将棋の戦法の基本はこちら

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「堅さ」から「バランス」へ

それではかせ、プロ将棋がどう変わってきてるの?
ざっくり言えば、

堅さ重視」から「バランス重視」になってきたんじゃ。

う~ん、よく分かんないよ。
じゃあ、まず将棋の陣形を大まかに2つに分けて考えよう。

1つ目は堅さ重視の陣形じゃ。

「堅さ重視」の陣形例

穴熊だね!とっても堅いよ。
このように右側か左側にしっかり玉を囲うのが「堅さ重視」じゃ。
でもしっかり囲うのは当たり前だよね。
そう。囲うのは普通の戦い方。でも上の図のほどガチガチに金銀を左に集めると全体のバランスは悪いというデメリットもある。
で、もうひとつの考え方は?
バランス重視の陣形じゃ。

「バランス重視」の陣形例

金銀で玉をしっかり囲ってるわけじゃないね。
このように、金銀を偏らせることなく自陣全体に配置するのがバランス重視じゃ。
玉も右端とか左端に行くわけじゃなくて、中央よりなんだね。
そう。堅くは無いけど、全体のスキを無くして陣形を守る考え方じゃな。
だんだんわかってきた。つまり、この1年くらいで、

「堅さ」から「バランス」に流行が変わったんだね。

スローガンは「隙あらば穴熊」!

2000年代から去年くらいまでは、

現代将棋は堅さが命」と言われる堅さの時代だった。

そうなんだ。堅い方が安心だもんね。
この流行の中心にいたのが、渡辺明竜王じゃな。

渡辺竜王の紹介はこちら

史上4人目の中学生棋士で、初の永世竜王になった渡辺棋王の魅力や弱点などを解説しています。将棋が分からない人でも楽しめる内容です。
どういうこと?
しっかり玉を堅く囲ったうえで、細い攻めをつないで勝つというのが渡辺竜王の黄金パターンだったんじゃ。
そういう戦い方で若くして竜王を取ったから、みんなもまねしたんだね。
そう。特に渡辺竜王は穴熊を愛用して、

隙あらば穴熊」がスローガンのように、若手はみんな堅い陣形を目指したんじゃ。

そうなんだ。
その例として2011年のJT杯決勝、羽生渡辺戦を紹介しよう。

先手:渡辺竜王 後手:羽生棋聖

これは矢倉の将棋?
そう。でも渡辺竜王は矢倉を組んだ後、穴熊を目指したんじゃ。
とっても堅さを重視していたんだね。
もう1つの例を挙げよう。

2016年の竜王戦第2局じゃ。

先手:渡辺竜王 後手:丸山九段

今度は角換わりで穴熊だね。でも角換わりって角打ちのスキを作らないようにしないといけないんじゃ…
そう。それでも金銀が偏る穴熊にしたんじゃ。
まさに「隙あらば穴熊」だね。
このように去年までの15年間くらいは、とにかく堅さを重視するのが主流だったんじゃ。
なるほど。でも去年から潮目が変わってきたんだね。

ソフト発!スキの少ない陣形!

でも去年から、将棋ソフトが使っていたバランスのいい陣形をプロが採用するようになったんじゃ。
それで今大流行してるんだ。
そう。例えば今年の竜王戦第2局の羽生棋聖の陣形を見てみよう。

先手:渡辺竜王 後手:羽生棋聖

赤い枠が羽生棋聖の囲いだね。
そう。大流行の雁木(がんぎ)じゃな。
雁木はどんな囲いなの?
じゃあ普通の矢倉と雁木を比べてみよう

上が雁木 下が普通の矢倉

雁木は矢倉と比べて、金銀が中央寄り玉も完全には囲ってないね。
そう。玉は薄いけどすぐ囲えて、攻撃的じゃな。
堅さをあまり重視しなくなってるんだね。
もう1つの例を紹介しよう。

11月29日のA級順位戦、羽生渡辺戦じゃ。

先手:羽生棋聖 後手:渡辺竜王

これは角換わり。緑の枠の駒がポイントじゃ。
玉を囲ってるとは言えないね。
これも従来の陣形と比べてみよう。

上は流行のバランス型 下は普通の角換わり陣形

全然違うね!従来のはしっかり囲ってるけど、流行形は玉が中央だよ。
流行形は玉と金と飛車をバランスよく配置して陣形全体の角打ちのスキを無くしておるな。
堅さよりもバランス重視っていうのはこういうことなんだ!
若手を中心に、堅さを重視しない陣形がかなり採用されてるのが、この1年のトレンドじゃな。
つい最近まで「隙あらば穴熊」って言ってたのがウソみたいだね。

変化についていけないと…

重要なのは、この2つの陣形は戦い方が全く異なるということなんじゃ。
どういうこと?
穴熊のように玉をしっかり囲っていれば、後はガンガン攻めることだけを考えればいい
渡辺竜王はそういう戦い方で天下を取ったんだよね。
でもバランス重視の陣形だと玉を囲ってないから、常に攻めだけでなく守りも考えないといけないんじゃ。
攻めと守りを同時に読むのか、神経使うなあ。
そして注目なのは、今期の渡辺竜王の成績じゃ。

渡辺竜王の今年度成績

13勝17敗(0.433)

(2017年11月30日時点)

結構悪いね。スランプかな。
もちろんスランプにはいろんな要因があるだろうが、この戦い方の急激な変化も原因じゃないかと思うんじゃ。
そっかあ。もともと堅い囲いで戦うのが得意なのに、最近の流行で薄い陣形を使ってるんだもんね。
そういうこと。それが冒頭の発言

最近将棋がすごい変わってきて、自分は付いていけてない」のように自覚があるのかもしれんな。

渡辺竜王のような最強棋士でも、流行の急激な変化に苦しんでるんだね。
ちなみに羽生棋聖はもともとゴチャゴチャした将棋が得意だから、割と適応しとるように見えるな。

まとめ

プロの流行は「堅さ」から「バランス」へ。薄い陣形をいとわないことが増えたな。
ソフトがかなりプロの将棋に影響してるんだね。
そして一流のプロでもこの急激な変化に付いていくのは大変のようじゃ。
玉をしっかり囲う将棋はもう無くなるのかな?
決してそんなことは無い。玉を囲うのはいつの時代も将棋の基本
じゃあ僕はいつでもしっかり囲うようにするよ!
そうじゃな。バランス重視の陣形は初心者には難しい。余計なことは考えず、きちんと囲うことじゃ

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